社長のBLOGといっしょにアルテイル一周年を振り返ってみよう(後)

というわけで、10日の記事の続きです。

2004年7月6日

アルテイル開発関係者を集めての打ち上げということで、開発陣構成などが簡単に書かれていますが、やはりゲームの開発については、子会社に発注、という形を取っている模様。
デックスの会社規模から推測
(参考URL:http://www.dex-et.jp/company.html
すれば、コンテンツ開発およびサーバー保守などは、それぞれ専門の会社に委託しているのは、なんとなく想像ができたりするのですが、DEXにいる(だろう)ディレクターの意向を委託会社に伝えて、すり合わせる作業というのは、なかなか難しいだろうな、などと思うのです。
英語表記の誤りやら、テキストのようにいかない仕様(ランクアップによる回復・急激な成長など)やらが修正のたびに出てしまうのは、開発環境が企画と離れていることから、どうしても手の届かないところが出てきてしまうからじゃないか、などと思ったりしました。

その辺りの問題認識の捉え方がBLOGに書かれていますが、その意識は非常に正しいと思う。ただ、構成を見ていると、ゲームバランスについては、当時、企画に一任してしまっているような…… プレイヤーの意見を取り入れるにしても、一人一人の意見は、あくまで断面的なものだから、例えば集めた意見を、あれもこれもと取り入れてしまうと、結局は失敗してしまうんじゃないかと(「Legend of Vandia」のパラメータ掲示板がそうであったように)。
先に挙げたLegend of Vandiaでは、自分も掲示板でヒートアップし、2chで叩かれたりしましたが(汗)、そうした経験もあり、ユーザーの意見を反映させるのに重要なのは、数ある不満の中から共通している原因を探し出すこと
(修正案の全てを取り入れようとすると、「行きすぎた修正」になってしまう。LVのパラメータ掲示板でのフェニックスパピーの下方修正・ダックの上方修正しかり。
アルテイルの6月修正もおよそユーザーの意見を反映したものであるといえるが、ルザやプロボジッションなどを見るに、若干、行きすぎた傾向がなかったか。)
および、製作者側が、自分たちの作ったバランスに、もっと自信を持つことだと思うのです。まずはある程度は遊べるバランスを自分たちで提供でき、その最低限のバランス感覚を崩さない程度に、ユーザーの意見を反映していくこと。

そのためにも、企画者側がしっかりとテストプレイができる環境を作っていないといけない、と思うのだけども……やっぱり、人件費がかさむからなあ。会社としては、できればユーザをテストプレイヤーに見たてて、バランス調整したいんだろうなあ。ただ、やっぱり、それには限界があると思うよ。キモの部分で、ラクをしようと考えてはいけません。
(最近、営業の人をプレイヤーとして遊ばせているようで、それはいい傾向ではないかな、と。ただ、初心者を売りにしているのがちょっと。現状、非常に言い方は悪いが「プレイヤーのご機嫌伺い」に終始してしまっている気もする。
やはり、バランス取りを本気で考えるなら、カードゲーム経験者を、数人は入れるべきなんじゃないか。)

あと、余談になりますが、「アルテイル」はフラッシュで動くことが非常に重要である、ように捉えているようで、自分もそれは非常に正しい、と思った。2chでたびたびインストール方式にしろ、という意見を見ますが、例えば、ゆきがけのマンガ喫茶からすぐにプレイできる本格的対戦型カードゲーム、というコンテンツから感じる「気楽さ」というのは、すごい魅力があると思うですよ。インストール型のMTGオンラインも自分はプレイしていますが、やっぱりアップデートが長かったり、アルテイルより気楽……ではないよ。
(とはいえ、MTGをいつでもプレイできる、というのは、非常に魅力ですけども。ただ、神河に入ってからやってないんだよなあ。。9thでは、どうもヒュプノティックスペクターが復活するみたいなんで、すげえやってみたかったり)

2004年7月15日

やはりセガから営業をやられているだけあって、営業活動はマメだ、と思う。
まあそんなことよりも、

しかし、この泉ガーデンって建物・・・すごいよね。タワー棟のほうのエレベーターは「エイリアン2」に出てくる荷物用エレベーターみたいだし、これで人間だけ運んでいるのはスゴイ非効率的な感じがする。

まったく同感です。あのへんはエレベーター1つにしてもサイバーな感じ。

2004年7月26日

以前に黒川氏の親交の深いBLOGとして紹介したユビキタス・エンターテイメントの清水氏のBLOGが引用されていますが、これも非常に興味深い。とくにアルテイルとは関係ないんですが、私的メモ代わりにリンクしておきます。

オリーブの枝

X-BOXも結局、国内ではコケたわけですが……ある程度ハードを遊んでいて、個人的にいちばんゲーム性が強いように感じるのが、そのコケたX-BOXのソフトというのは、いろいろと示唆に富んでいると思う。マーケティング・リサーチの重要さもそうなんですが、何より、ゲーム会社にありえない開発資金を要求してきたPS2というハードというのが、結局のところ、諸悪の根源なんじゃないか。どうもPS2が台頭しはじめてから、いよいよ国内ゲームは、ゲーム性軽視の傾向が決定的になったように思うんですよね。まあ、最近のバイオ4とかやってみると、そういう姿勢の見なおしが、一部の大手メーカー内で起こっているのかな、なんて思いつつ。

2004年8月25日

ゲーム内カード100枚追加、ということで、第2弾カード発売、という感じなんでしょうか、と不安げに書いているのは、当時に参加していないからです。
まだカードデザインもぶっ壊れていたまま、というようなことを聞いているんですが……セラフやエンジェル・スキュラといった獣化病ユニットがアレだったとか。
セラフといえば、現在の能力は微妙なんだよなあ。ユニットのセメタリ送りは絶対マズいんですが、アクションスキルは2SP消費なら、アクション済かどうかの制限をなくしたうえで、任意ユニット1体HP=0、ぐらいでもいいような気がする。あと「汚染される大気」も、HP-5はそのまま敵軍ユニット全員で問題ないと思われ(HP-10でもいいと思う)。リリスと違って、ATあがらないんだし。
「まだ改善しきれていないところがある」というのは、ゲームバランスおよびインターフェイス面のことか。

MMORPGの臨界点みたいな話もありまして、ある意味の「アイテム課金」的な手法を採用した「アルテイル」は「間違ってなかった・・・!」と確信をもちました。」
着眼点や新規開拓を含めたプロモーション活動については、正直、これほどまでとは思わず、脱帽しているのですが、やはり、商品の根底の部分といえる、カードバランス面が不安定であるところを、早急に見直してもらいたいな、としみじみ思うのでした。
その翌日の日記で、売上更新にあたって、ユーザーへの謝辞がかかれていますが、それであればなおのこと、コンテンツの質(=ゲーム性)に直接つながる、カードバランスについては、細心に注意を払ってほしいのです。
ぶっちゃけ、2chからの場当たり的なユーザーの意見を参考にした6月修正よりも、数多くの苦情から製作者側が自分たちでバランスをとった3月修正のほうを、自分は評価しているのですが……アクセス数の増加などで、結果はわかってるはずなので、6月修正の二の徹を踏むなと、ここに書いておくことにします。

2004年9月3日

ファミ通に営業活動、とのこと。

「では早速、現物、オンライン上での対戦プレイを観ていただこうと思いました。

 ところがアクセスできません。

 どうやら無線LANはないようで、すべてワイアード状態のため、弊社の無線LAN対応のマシンでは接続できませんでした。残念!」

……

ところで「残念!」といえばギター侍ですが、そういえば最近、「エンタの神様」をまったく見れていないんですが、波田陽区ってやっぱり消えちゃったんですか? 本の帯を徳光が書いているところで、イヤな予感がしていたのですが。ウソ泣きするトクさんをマジ泣き(もしくはマジギレ)させればよかったんじゃないか、などと思うんですけどねえ。そんな自分は、ちょっと前のカンニングが大好きです(最近の、竹山がじょじょに「いい人」になってきつつあるカンニングはイヤなんですが)。

しかし、エンブレの社長の部屋が立派になっている、という件は、鈴木みそのマンガでの浜村通信の扱いを覚えていると、日々、膨張しつづけているのだなあ、という感慨にかられます。それって宇宙やんすげえ! 浜村通信って宇宙だよ!

2004年9月30日

リサイクル機能追加とかバージョンアップがあったみたいですね。相変わらず、その頃はやっていないので、微妙な書き方です。
トレード機能についてよく書かれているのを、2chや他の方のBLOGで目にしますが……自分はリサイクルは評価しています。トレードをやってしまうと、とどのつまり、ユーザー間でのカードの流通がはやくなり、DEXの収入が先細りする、ということがあると思うのですが……万単位でつぎこみ、無駄カードをリサイクルすると、ちょうどもう1BOX買えたりするぐらいのグランは手に入ったりして、それで自分はプロボやらアンネやら引いているんで……わりとバカにならないものです。
そういえば、7月の上旬あたりに、レアが出にくいとか、2chで書かれたりしてましたが、はっきりいってそんなことはまったくないと思いました。5000で★5と★4が2枚でたよ。ただ、問題は★5がリミエール、★4がガーファスだったこと。3枚めのアニムス狙いだったんですが。まあ、★5が引ければ文句いいません。

「たとえば、海外のオンラインゲーム・パートナーとの展開・・・具体的にはアジア圏での展開とヨーロッパ圏での展開を考えています。そのような興味のあるかたはご連絡いただければ幸いです。」

アジア圏での展開、というのは、今にして思えば、つまりハンゲームだったわけですが、ヨーロッパ圏での展開、というのはなんだろう。ヨーロッパだとやっぱり、MTGオンラインが主流なのかな? つーかなにより、あの綴り間違いだらけのカードじゃマズいだろ。

しかしそれより気になることがあって、

「おかげさまで「アルテイル(ネット型カードゲーム)」は順調です。

 まあ、細かいことはイロイロありますが、順調です。」

珍しく、微妙にオブラートがかかった書き方なんですが、もしかして7月に書かれていたサボタージュ発覚とは、この頃にあったかもしれないですねえ。いや確証はまったくないんですが。

……ここから2005年2月に若干、音声ソフトとアルテイルとの関連性についての端書があるぐらいで、4月まで、アルテイルについての空白期間があるのですが
(もっとも、映像・音楽ソフトもあわせて販売している性質上、とくにアルテイルに関心がなくなったわけでは全くないと思う)、それにあわせて、このだらだらと続く記事も、もうちょっとだけ続きます。つーか疲れますね。ビビった。



余談ですが、あらかじめ他BLOGなどに危惧されていたことですが、既存ユーザーとハンゲームユーザーとの温度差が、提携初日から、さっそく出てきているような。。まあ、実際のところ、ある期間をおいて見ないと、それが成功か失敗か、なんていうのは、わからないんだけど。
自分もそうですが、
「ハンゲ=タダゲ厨の溜まり場」
という先入観のようなものがあるし。
まあ、そういう感情が渦巻くのも併せて、ハンゲ提携とはやはり「禁断の果実」であるわけですが、しかしながら、自分的には、青年とジュッズヴァーを放置してハンゲ提携にこぎつけたのが驚き。
記事のまとめの一つに書こうと思っていたのですが、どうもアルテイルは、社長主導でどんどん走るのはいいんだけども、足元を見ないところがあって、BLOGなどを眺めていて、社長のリーダーシップを感じるのとともに、どうにも危なっかしく見えるんですよね。全力疾走しながら考える、とよく書かれてあったけど、例えばカーブを全力疾走した場合、たいていは曲がりきれずに事故るわけですよ(汗) 当然、それは全力疾走しているのが悪い。

黒川氏のBLOGを見てると、たまに、「アルテイルが走っている道程が、まっすぐなのか曲がり角になっているのか、理解しているのかしら」という不安にかられるわけです。

自分はゲーム制作において、情熱を第一に考えていて
(ことあるごとに、テストプレイをしろ、というようなことを書くのも、ゲーム好きであればむしろ当然のように作ったゲームをプレイするはずだろう……という、現状の制作現場からの一般的常識からはともすれば外れているかもしれない想像があるからです。業界全般に対しての理想の押しつけ、とでもいったほうが正しいかもしれない)
黒川氏のBLOGには全般、そういった熱意を感じ、意気に感じる反面、しかしながら、そのプロモーション活動に、現状、悲しいけども、ゲームの内容が追いついていないところがあるんじゃないか。そういうところを、12日からの騒動を見るにつけ、改めて感じているところであります。